6 夜勤時間のしくみ 早くも勉強会の成果が!

奈須:そういえば、のことで、前任の師長が頭を抱えていたことがあったけど、夜勤についても規定があるよね。

石崎:夜勤は、1人72時間という規定があるよ。これを超えてしまうと、10対1看護体制の入院基本料から特別入院料になってしまうんだ。

奈須:そうすると当直4回だ。それと、夜勤の時間の計算の規定があるんでしょ。

石崎:鋭いね!少しは、勉強会の成果がでてきたかな。夜勤のキーワードは、夜勤時に1病棟最低2名以上配置されていることと、1人当たり平均で72時間を超えないということだ。だから、72時間を超える人がいてもいいんだ。

奈須:私の病棟は、日勤と早番、遅番、当直(夜勤)とあるから、遅番は6時間、当直は16時間といった感じになるね。ざっくり計算して、夜勤2名、遅番1人であれば、1日の夜勤時間数は、16時間×2人と6時間×1人の合計38時間になるね。式2)に当てはめると、1カ月30日であれば、38時間×30日で1,140時間と大まかに計算できるね。

石崎:本当は、勤務表の実数ときちんと計算しないといけないんだけど、今回は、計算式を覚えるということで、ざっくり計算してみよう。

奈須:1,140時間だから、夜勤をしている人で割り返せばいいのよね?

石崎:ただし、夜勤専従と1カ月で16時間以下の看護職員は除くことになっているんだよ。

奈須:知らなかった。んな細かいルールもあるのね。」

石崎:2006年の診療報酬改定の時に、72時間を超えてしまうために、特別入院基本料になってしまった医療機関が増えたよ。うちの病院でも月に1度は、当直をしてほしいといったことはこんな理由があるんだよ。16時間以上の人を人でも確保するための策だね。特別入院料になっちゃうと収入ガタ落ちだから厳しいよ。

奈須:特別入院料は、入院基本料の基準が満たせなかった時に、算定する入院料ね。確か、575点ね。(現在は変更あり)

石崎:だんだん理解してきたようでうれしいよ。ちなみに、特別入院料は、575点だから、1300点の10対1から特別入院料に代わると725点の差になる。今日は、180床稼働しているから、1日で130,500点も下がることになる。毎日、130万円も下がったら、年間で4億5千万円以上の損失だよ。あり得ないよね。

奈須:そうなると病院は倒産するね。夜勤と言っても侮れないね。そうならないように、計算してみると、1,140時間を当直している16人で割ると71.2時間(少数点第2位以下切り捨て)となる。うちの病棟は、ぎりぎりなんだ。昔の看護2対1の基準の方が、72時間をクリアしやすかったのかな?

石崎:そうなんだよ。看護師の数より夜勤の時間をクリアする方が厳しいね。だから、夜勤ができる人を増やさないとね。

奈須:もう一つ聞いていいかな?非常勤職員の計算はどうするの?月の勤務時間を勤務時間で割ればいいのかな?

石崎:そうだよ。うちの勤務時間は、月間175時間だから、35時間勤務した非常勤の職員は、0.2になる。0.2の人が5人いれば、常勤1人と同じ計算となるよね。